E級日記

もんがぁ のE級的生活の記録です

卓子料理 富貴楼

長崎で何を食べようか?、、と考えた時、まずは卓袱料理が頭に浮かびました。どの店が良いのだろう?とネットで調べると、どうやら「富貴楼」が老舗のようです。夜は値段も高くて4名からということですが、お昼にはミニ卓袱料理(1人5,250円/2人から)があるとのことで、それを予約しました。
店の前に立つと、その迫力に圧倒されそうですね。玄関から入るといかにも由緒ありげな造りで、仲居さんに案内された部屋は八畳もある個室でした。仲居頭と思われる方が挨拶に来られたので、色々と話を聞きました。
この富貴楼の建物は江戸時代からの古いものだそうです。幕末の志士や明治の元老も訪れていたのでしょうね。原爆の時はどうだったのかな?と思って聞いてみると、長崎はいくつもの谷筋に分かれていて、富貴楼のある西山辺りは爆心地の浦上から直線距離では2km程にもかかわらず、間に丘があってほとんど被害がなかったとのこと。今でも古い町並みが残っています。いや〜どんな料理が出てくるのか、期待が膨らみますね。


卓袱料理というのはどういう料理なのか?私はよく分かってなかったのですが、、
卓に座るとまず最初に吸い物椀が出てきて、「お鰭(おひれ)をどうぞ」と言われます。宴会の時には、まず「おひれ」が済んでから主人の挨拶があって宴が始まります。この「おひれ」は本来は魚のヒレが盛り付けられていて、お客様一人一人に魚一尾を使いましたという歓迎の証なのだそうです。 富貴楼の「おひれ」は長崎の雑煮を簡略化したもので、小さな餅が入っています。これで店の味を確認するとともに、お酒を飲む前の胃を和ませるのだそうです。

次の料理は、鯛の刺身、アラの湯引き、鰆と栗の焼き物、ざくろの寒天等です。和風の料理が出てきて驚きました。

豚角煮はしっぽくの定番ですが、これだけが中華風で、他は和風の料理が続きます。

"卓袱"(富貴楼では"卓子"と記します)というのはテーブルという意味で、卓袱料理というのは、実は料理をサーブするスタイルなのですね。鎖国時代、長崎ではオランダ以外に中国との貿易も許されていて、その習俗が取り入れられたのだとのこと。日本では基本的にお膳に一人ずつ料理を盛りつける形ですから、皆でひとつのテーブルを囲んで大皿に盛った料理を取り分けて食べるスタイルは、とても新鮮だったのでしょうね。
いや〜目から鱗と言うか、、卓袱料理というのは実は和食なんですね。富貴楼は伝統のある料亭ですが、お店の人はとても親切で寛げました。長崎で卓袱料理を食べるのであれば、やはりこの店が一番でしょう。
富貴楼 長崎市上西山町5-4 http://www4.ocn.ne.jp/~fukiro/