E級日記

もんがぁ のE級的生活の記録です

和歌山ラーメン紀行

三連休に和歌山、奈良に出掛けてきました。今回は私の趣味である史跡巡りをメインにした一人旅です。
いつものように高速道路の休日割引を利用して車で周ります。初日の泊まりは和歌山ですが、途中で大阪府堺市に立ち寄りました。ここにある仁徳天皇陵にはまだ一度も訪れたことがなかったのです。「行って見ても全体は見えないよ」と聞いていたのですが、その通りでしたね(笑)。近くにある堺市役所21階の展望ラウンジが一般開放されているということなので、そこに上がって眺めてみましたが、やはり大きな森にしか見えません。ただ、大仙陵の周りを回って実際の大きさを確かめて、大阪湾や大和盆地等との位置関係も分かりましたから、所期の目的は達することが出来ました。もうひとつは戦国時代の自由都市「堺」の遺構の確認です。かって堀で囲われていた堺の遺構は、長崎の出島と同じで今ではすっかり市街地に埋もれてしまっています。地図を頼りに南北3km、東西1km程の町域を確認しました。戦国時代の堺の町が、あの仁徳天皇陵のほとんど1kmと離れていない場所にあったというのが分かって面白かったです。こういうことは実際に現地に行ってみるまで気が付かないものですね。


堺を経由してPM2:00頃に和歌山に到着。まだ昼飯を食べていないので、最初に井出商店へ、、というか、阪和自動車道の和歌山ICで降りて市内に向かうと、JR紀勢線のガードをくぐった最初の交差点の角、とても分りやすい場所に井出商店はあります。ここで"中華そば"を食べた後で、和歌山の街を巡りました。ご存知のように和歌山は徳川御三家のひとつで、将軍徳川吉宗を出した家です。まずは和歌山城を見て回りましたが、現在の天守閣は戦後に復元建築されたもので、元々の城域もかなり市街地化しています。それでも往時の規模を想像することは出来ました。その後は紀三井寺、和歌の浦、雑賀城跡などを巡ってホテルに入りました。

和歌山に泊まった理由の一つは、やはり和歌山ラーメンです。今回食べたのは2杯ですが、井出商店は外せないし、後は車庫前系の店を一軒食べてみようと思いました。
和歌山ラーメンを一躍全国区にしたのはこの店ですね。1998年元日に放映されたTVチャンピオン「日本一うまいラーメン決定戦」で、全国の並み居る強豪店を押さえて優勝したのが「井出商店」です(推薦したのは、あの石神秀幸さんでした)。ここは中休みなしの営業で、私は14:00過ぎに到着したのですが、この行列です。店の駐車場がすぐ傍にありますが、ほとんどが他府県ナンバーでしたね。店内に入ると女店員さんは中国訛り、、これまでもラーメンの老舗で何回か経験したことがあります。普段から大量の客を捌いているのでしょう、オペレーションは手際良いです。

私は基本の"中華そば"を注文しました。テーブルの上には和歌山ラーメンのお約束、ゆで玉子と早寿司(サバ寿司)。それにここでは、めはり寿司、巻き寿司も置いてあります。これは客が勝手に食べて、お勘定の時に自己申告します。私も早寿司をひとつ食べました。出てきた"中華そば"はトンコツを煮込んで醤油ダレを合わせたとろみのあるスープ、化調も感じますが、これはこれで美味しいです。麺は少し柔らかめですがこれは老舗ではありがち、具のカマボコは和歌山ラーメンには外せませんね。一見レトロなラーメンですが、惹きの強いスープはさすがです。

いや〜やはり美味しかったです。こちらは日本で最も有名な店の一つでしょうね。有名になってからも、店の佇まいもラーメンの味も変わず守っておられるように思いました。私も長年訪れてみたい店のトップだったので、念願が叶って嬉しかったです。
井出商店 和歌山市田中町4-84


ホテルに戻ってから、晩飯を食べに街に出ました。行ったのは柳通りにある「丸高」です。この付近は和歌山の歓楽街ですね。和歌山ラーメンには車庫前系の店というのがあるのですが、これはかって和歌山市内を走っていた路面電車の車庫前にあった屋台が発祥ということで、そう呼ばれています。こちらの店はその中でも老舗のひとつ、昭和14-15年頃屋台から始まったのだそうです。
和歌山のラーメンは基本はトンコツだしですが、独特なのはトンコツを予め醤油で煮込むこと。トンコツを煮込んだ醤油はチャーシューの煮込みにも使い、最終的には醤油ダレになります。このあたりの作り方が面白いです。

私が注文した"中華そば"、スープは井出系よりもさらっとしていますね。麺はやはり茹で過ぎ気味かな。具はチャーシュー、メンマ、かまぼこ、ネギです。スープを啜ると、、う〜ん良く言えば突出したところのない醤油味ですが、何かピントがボケた味ですね。ありきたりな表現ですが、昔ながらの懐かしいラーメンという感じでしょうか。

本家アロチ丸高中華そば 和歌山市友田町2-50

和歌山ではむしろ丸高のようなタイプのラーメンが多くて、こちらが本来の和歌山ラーメンなのかもしれません。井出商店はむしろユニークな存在だったのでしょうね。しかし、その井出商店のお蔭で和歌山ラーメンが全国的に有名になったのは皮肉なことです。
今回訪れた2店は和歌山ラーメンを代表する店ですが、どちらもラーメン写真を失敗して(特に丸高は撮影に一番向かないオレンジ電球でした)、ラーメンが美味しそうに撮れなかったのが残念です。本当はちゃんと美味しかったですよ。