E級日記

もんがぁ のE級的生活の記録です

大阪 観劇・美術館巡り

一泊二日で大阪に行って来ました。久しぶりの大阪ですが、やっぱり人が多いですね。いろんな所を歩き回って楽しかったですが、ちょっと疲れました。

今回の大阪行きの目的は演劇鑑賞です。森ノ宮ピロティホールで公演中のシアターコクーン「みんな我が子 -All My Sons-」を見ます。アーサーミラー脚本で堤真一、伊藤蘭などが出演します。後ろの方の席で見えにくかったですが、オペラグラスを使って俳優さんの表情も何とか見えました。劇そのものは動きが少なく、セリフだけで進行する感じ。結構肩が凝る内容でしたが、見応えはありましたね。

ネットでチケットを購入したのですが、座席の指定は出来なくてS席という括りだけで購入。送られてきたチケットは1階の最後列でした。う~ん、この席だと分かっていたら購入しなかったけどな~ちょっと残念。良い席をとるためにはチケット販売サイトの優先会員になるとか、何らかのアドバンテージが必要ですね。


公演を観た後は、地下鉄を乗り継いでミナミに移動しました。やはりこのエリアは大阪っぽいですね。ぶらぶら歩くだけでも楽しくて、何かのテーマパークに来たような気分です。

たこ焼きなど食べたいものが沢山ありますが、晩飯を予約しているので、ここは我慢。

多くの人で混雑する道頓堀通りからちょっと脇に入ると、趣ある石畳の路地があります。小説「夫婦善哉」の舞台でもある法善寺、なんか古き良き浪花の風情を感じますね。

夕食は法善寺横丁にある「浪速割烹 㐂川」へ。こちらの店は大阪の食文化について多くの著述がある上野修三氏が創業し、現在は長男で二代目の上野修氏が店主をされています。

私達は一階カウンター席に座ったので、二代目店主と少しお話できました。志摩観光ホテルでフレンチの修行を5年ほどされたそうで、料理に洋風の工夫もあるように感じました。

初代の上野修三氏は浪花の伝統野菜の復興に努力されてますが、二代目は大阪の他の老舗和食店のご主人達と共に食のSDGsに取り組んでおられます。具体的には近大水産研究所の協力を得て草食魚アイゴの養殖事業を支援しているとのこと。これは素晴らしい試みだと思います。
板場では若いお弟子さん達が立ち働いておられますが、この店で修業した料理人も多いのでしょうね。広島では鉄砲町にある「まめ福」のご主人はこの店のご出身だそうです。


中之島にあるホテルに一泊して、朝起きると抜けるような青空でした。オフィス街を黙々と出勤する人波を横目で眺めながらカフェでゆったりモーニング、ちょっと良い気分です。

大阪での二日目は美術館巡りをしました。まずはホテルから近い中之島美術館へ。とても近代的な建物で、隣にある国立国際美術館ともども大阪の新しい景観です。

ちょうど開催中だっの「モジリアーニ展」を観ました。国内外のモディリアーニの作品約40点を展示、グレタ・ガルボが所蔵した「少女の肖像」は初公開とのことでした。モディリアーニ独特の人物描写には惹かれますね。

nakka-art.jp

その後はJR東西線に乗って大阪城北詰駅へ移動、藤田美術館を訪れました。この美術館は長州出身の明治時代の実業家、藤田傳三郎の一族が収集した美術品を所蔵しています。

所蔵品には国宝が9件、重要文化財が51件あるそうですが、私のお目当てはこれ、国宝の「曜変天目茶碗」を観ることです。南宋時代に中国の福建省で造られたらしいのですが、世界に3個しか現存しておらず、しかもその全てが日本にあって、これはその一つです。

照明を当てると黒い茶碗の表面に(内側と外側にも)青や緑の斑紋が現れます。そのメカニズムは未だ解明されていないそうですが、何とも幻想的ですね。何時間でも眺めていたいような感じです。念願だった曜変天目を初めて観ることができて満足です。
注.フラッシュなしであれば撮影可とのことでスマホで写真を撮りましたが、暗いので手振れでピンボケしてしまいました。

曜変天目を見た高揚を静めるために、館内にある喫茶コーナーで暫し休憩、抹茶と団子を頂きました。いや~この美術館は良いです、大阪観光の穴場ですね。

fujita-museum.or.jp

一泊二日の大阪の旅。観劇と美術館巡りという私に似合わないような文化的な行程でしたが、こういう旅も中々良いものですね。