E級日記

もんがーのE級的生活の記録です

余呉湖畔 徳山鮓

GWの前半は、3泊4日で滋賀旅行に行って来ました。

まず最初の目的地はこちら、琵琶湖の北にある余呉湖です。三方を山で囲まれた周囲約6km程の小さな湖で、風のない日には湖面に風景が映り込み「鏡湖」とも呼ばれます。青い湖面が美しいですね。向こうに見える山並みは、琵琶湖と余呉湖を隔てる賤ケ岳です。

私たちが湖畔を散歩している時に、「徳山鮓」のご主人が船で湖の中に設置した生簀を見回っているのを見掛けたのですが、後で聞いてみるとウナギの様子を見ていたとこと。残念ながらまだウナギの数が揃わないとのことで、夕食には出てきませんでした。

余呉湖では特産のイワトコナマズをはじめ、ワカサギ、フナ、コイ、ウナギ等の淡水魚が獲れます。冬場(11月下旬~3月下旬)はワカサギ釣りで賑わうそうですが、今の季節だとコイやバス釣りになるのかな、釣り人の姿がちらほら見られました。

余呉湖の周辺は、田植えに備えて既に多くの田に水が張ってありました。この鳥はサギの類ですかね。湖面の方にはコガモが群れで泳いでいました。

■徳山鮓(とくやまずし)
余呉湖の湖畔にある川並の集落、この集落の端に「徳山鮓」はあります。

本日の泊りはこちら。昨年9月に訪れており、今回は二度目です。「徳山鮓」の食材は全て地元の産物ですから、当然ながら季節によって料理が変わります。前回は秋だったので次は春に訪れようと、帰る時に今回の予約をしたのでした。

食堂は木造りの落ちついた内装とテーブル。ウッドテラスに向かって窓が大きく開いていて、余呉湖を見渡すことができます。

宿泊者用のお風呂は半露天で、大きな信楽焼の湯船が気持ちがよいです。

湖や山の幸に恵まれたこの地、ご主人は自ら山菜や茸を採り、湖で天然の鰻、ナマズ、ワカサギなどを獲っておられます。猪、鹿、熊などは地元の猟師が獲ったものを分けてもらい、解体処理はご主人がされるとのことです。
この店の名前にある"鮓"とは、塩漬けした魚と飯を乳酸発酵させたもので、現在の鮨の原型になるもの。産卵前のニゴロブナを使った"鮒すし"は琵琶湖の名産ですね。ご主人はこの"鮓"に魅せられたそうで、いろいろな手作りの発酵料理が供されます。

【夕食】
陽が暮れて余呉湖がブルーの帳につつまれる頃、夕食が始まります。

まず最初は、"スッポンの茶碗蒸し":スッポンの出汁と玉子を合わせて蒸した上にスッポンの切り身と餡がのせてあるのかな。たっぷりの摺りショウガを添えられています。スッポン自体はどちらかというと淡白な味わいですね、ぷるぷるとした食感が心地よいです。

日本酒は"紫霞の湖"。木之本にある「七本鎗」の蔵元に特注しているこの店のオリジナルブランドです。すっきりして美味い酒ですね。なお、「徳山鮓」に置いてある日本酒は全て「七本鎗」冨田酒造のものです。

"鯉の刺身"と"鯉の子まぶし":鯉はもちろん余呉湖で獲れたもの、"子まぶし"は細切りの鯉の身に鮒の卵がまぶしてあります。鯉の身がくりくりとした歯応えで美味いです。

"鯖の熟れ鮓":おろしチーズを鯖の熟れ鮓で包んでトマトソースを添える、この店のスペシャリテです。熟れ鮓とチーズはともに発酵食品なので相性は抜群ですね。トマトソースはフレッシュソースと、熟れ鮓の飯とトマトを混ぜたソースの二種類です。

"湖と山の幸の盛り合わせ":ポン柑と猪のテリーヌ、猪のハム、稚鮎の酢物・飯のソース、ワラビ、熊と猪と鹿のテリーヌ、フキノトウのソース、コシアブラ、ワサビ漬け、ワサビの葉、モロコ、熟成ジャガイモ。どれも美味しくて、日本酒がすすみます。

山菜の天ぷら:山菜はユキノシタ、イタドリ、タラの芽、コゴミ、モミジガサ、コシアブラ。これは春の里山の香りですね。

"焼きスッポン":スッポンの肝のソースを塗って焼いてあります。スッポンの食べ方はいろいろありますが、これは初めて。スッポンは丸鍋が最高と思っていましたが、焼くのも良いですね。から揚げと比べても、この"焼きスッポン"のほうが断然美味いです。

ジビエもこの店の楽しみのひとつです。今回のお目当て、メインの料理は"熊肉のしゃぶしゃぶ"でした。熊の肉は薄くスライスされています、脂身が白くて綺麗ですね。

鍋に出汁が張られているので、そこに熊の肉を泳がせて、添えられているたっぷりの花山椒(木の芽)をさっと湯通しして一緒に頂きます。

この熊の肉、臭みが全くありません。そして脂身が甘いですね。木の芽の爽やかな香りが肉の味をさらに引き立てます。さらに驚いたのは、熊肉をしゃぶしゃぶしても、出汁が全く濁らないのです。灰汁が全くでない、これは不思議です。

熊肉をしゃぶしゃぶで食べたのは初めてですが、こんなに美味いものだとは知りませんでした。もちろん、この熊肉が特別なものなのだと思いますが、よい経験が出来ました。

"鮒ずし"、"発酵カラスミ"、"鮒ずしのサンドウィッチ":"鮒ずし"には地元産の蜂蜜が掛けてあります。"鮒ずしのサンドウィッチ"は鮒ずしをパンで挟んでオリーブオイルで焼いたもの。"鮒ずし"は徳山鮓の真骨頂、臭いはそれほど強くなく純粋に発酵したタンパク質の旨味が感じられます。一方、"発酵カラスミ"は前回も食べましたが、今回のはちょっと発酵しすぎというか、酸味がきつかったです。

締めは、熊しゃぶ鍋の出汁で煮る"細うどん"。これにもたっぷりの花山椒が入ります。

う~ん、いい出汁が出てるなあ。汁まで全て飲み干して、もう満腹です。

デザートは鮒鮓の飯を混ぜた発酵アイス:これは「徳山鮓」の定番デザートですが、この辺りではすっかり酔っぱらってしまって、写真を撮り忘れました、、残念。

今回も大変美味しかったです。前回来た時と重なっている定番料理もありましたが、秋と春、季節が違うと食材が違っているし、花山椒や山菜などに季節を感じました。全ての食材が自己調達で自然で良質。そして、その食材を調理する技術も素晴らしいのだから言うことはありません。今回もすっかり満足させて頂きました。

【朝食】
一夜明けて、ウッドテラスに出て朝の光を浴びます。余呉湖の湖面もきらきらと輝いていて、美しいですね。宿泊者の皆さんと朝の挨拶を交わします。

朝食は、"鮎の一夜干し"、"イサザ、稚鮎、うろり(ゴリの幼魚)佃煮"、"鹿肉の茶碗蒸し"、"氷魚の鍋"、"タケノコとワラビの味噌汁"などです。

氷魚は鮎の稚魚のこと。少しほろ苦みがありますが、純な味わいで美味しいです。

今回も期待通りの食事、さすがだと思いました。「徳山鮓」はご主人と奥様、娘さんの他に若干名のスタッフで切り盛りされていると思っていたのですが、フランスに料理修業に行かれていた息子さんが帰られたとのこと(ご主人と一緒に船に乗っていた人かな)。これからは、和食だけでなく洋風の料理も出てきそうですね。私達はこれまで春と秋の料理を頂いたので、少し間を空けて、次は夏か冬に再訪できればと思います。また訪れる日が楽しみです。

徳山鮓 滋賀県長浜市余呉町川並1408 徳山鮓のホームページ


■北國街道木之本宿
湖北に来ると、やはりここにも立ち寄ります。木之本はかつて北国街道の宿場町だったところで、伝統的な町家が点在する町並みに往時の雰囲気が残っていますね。

こちらは「木之本地蔵院」、歴史は古く飛鳥時代にまで遡るとか。賤ケ岳の戦いの時には秀吉の本陣になった場所です。

いまは、眼病を治す地蔵さまとして知られ、全国から参拝客が訪れるそうです。

「きのもと交流館」に入ると、賤ケ岳の戦いのジオラマが展示されていて、案内員の方がいろいろと説明してくれました。私自身、いろんな歴史本で読んでいる内容ですが、ジオラマを観ながら説明を受けると、実際の距離感とか位置関係が分かって勉強になりました。

■七本鑓冨田酒造
軒先に大きな杉玉、ここは銘酒「七本鎗」の蔵元です。「徳山鮓」では日本酒はこの「七本鎗」だけを出されています。
冨田酒造は江戸時代から続く老舗の蔵元で、大正時代には若き日の北大路魯山人とも交流があったという由緒ある蔵です。現在は地元の農家と契約栽培した減農薬米を使用して酒造りをされているとのこと。伝統を踏まえた上で新しい酒造りにチャレンジしておられるところが素晴らしいですね。

今回は、お店の人に相談してタイプの違う酒を3本購入しました。家で飲むのが楽しみです。

冨田酒造有限会社 滋賀県長浜市木之本町木之本1107
7yari.co.jp


■つるやパン本店
前回来た時も立ち寄った「つるやパン」です。創業60年の老舗のパン屋で、お目当ては"サラダパン"です。TVのケンミンショーで紹介されてから一躍有名になりましたね。

"サラダパン"は長細いコッペパンを二つ割りにして、刻んだ沢庵とマヨネーズソースが挟んであります。パンに沢庵というのはミスマッチに思えますが、沢庵のシャリシャリした歯応えが心地よくて意外にハイカラな味です。"サラダ"という名前の由来は、この食感とマヨネーズ味からくるのでしょうね。今回は二個だけ買って車中の軽食にしました。

つるやパン本店 滋賀県長浜市木之本町木之本1105 つるやパン