E級日記

もんがぁ のE級的生活の記録です

蘇州・杭州の旅

2月10日〜13日の間、上海とその近辺(蘇州、杭州)へ行ってきました。
今回の中国旅行は、以前同じ会社に勤めていたZさんを訪ねたものです。お世話になったかっての上司Wさんと私の二人で出掛けました。上海までは広島空港から中国東方航空の直行便が毎日一往復出ています。所要時間は2時間程ですから、上海までは近いですね。上海浦東空港に着くとZさんと息子のI君が出迎えてくれました。現在Zさんは上海近郊の街で師範大学の教授をされています。中国に帰国されてから早10年、久しぶりの再会です。


■蘇州
旅行初日は上海到着後にZさんの車で蘇州に向かいました。上海から蘇州までは約100Km、高速道路を通って車で2時間ちょっとです。蘇州と言えばまず思い浮かぶのは蘇州夜曲(李香蘭)、クリークの岸辺で風にそよぐ柳並木、、ちょっと古いでしょうか(笑)。今は人口600万人の大都会です。
ホテルにチェックイン後、まず訪れたのは世界遺産にも指定されている「拙政園」という明代の古典園林です。池を中心とした庭園は日本にもありますが、やはりかなり雰囲気が違います。ここには太湖石という奇岩がたくさん配置されているのですが、これは近くにある太湖で侵食されて複雑な形になった石灰岩だそうです。

丸い出入口は拙政園の特徴の一つとのこと。Zさんの息子のI君が事前に調べてくれていて、一生懸命説明してくれるのでありがたいです。I君とは彼が中学生の時に会って以来ですが、今は上海大学の大学院生。立派な青年になりましたね。

その後は蘇州の運河クルーズをする予定だったですが、19:30発の予定が19:27に船着場に着くと目の前で舟が出て行きました。Zさんが船着場の係員に詰め寄ると、「客はもう来ないと思ったので舟を出した」と涼しい顔。この辺りは中国っぽいです(笑)。気を取り直して蘇州の美味しいものを食べることにしました。
これは「松鼠桂魚」といって、太湖で獲れる桂魚という淡水魚を丸揚げしたものです。魚の身に切れ目を入れてから揚げるので、松かさのようになるところから付いた名前でしょうか。近くの浙江省が酢の産地ということで、甘酢味は上海周辺の代表的な味付けのようです。

こちらも魚料理ですが、これは何でしょう?実はこれはフグの煮付けです。フグの頭を二つ割りにして、甘辛く煮てあります。フグのこういう食べ方は初めてですが、意外性がありました。特に皮の部分が美味しかったです。

いや〜蘇州料理、美味しいです。運河クルーズで置いてけぼりを食った恨みもすっかり忘れてしまいました(笑)。


■烏鎮
2日目は蘇州を発って杭州へと向かいます。その途中に烏鎮という水郷の町に立ち寄りました。江南地方は揚子江の副流や湖沼があって、こういう水郷がたくさんあるとのこと。その中でも烏鎮は特に有名な古鎮です。現在は観光地として保護されていて、水郷地域に入るのには入場料が要るのですが、住人は今もそのまま住んでいるそうです。街の入口には大きな駐車場があって観光バスもたくさん来ますが、ほとんどが中国人の観光客です。外国人だけではなく、いまや中国の人にとってもこういう町は観光の対象になるのでしょうね。


この町は春秋戦国時代の頃から記録にある集落だとのこと。石畳の裏通りを歩いていると、なんか不思議な感覚に陥ります。古民家の中に入ると古い生活がそのまま残っているのですが、中庭など思いがけぬ空間があったりして驚きます。集落の中にクリークが通っていて、小船で往来できます。私達も櫓漕ぎの船に乗って水郷遊覧を楽しみました。

烏鎮での昼飯です。この辺りの郷土料理だとのこと。まずご飯が大きな器に入れられてドンと置かれます。この辺りは米が主食で、小麦は作られていないので麺や饅頭などはあまり食べないとのことです。炒め物は赤い色だったので辛いのかと思ったら、これも甘酢味でした。この地方の味付けの基本のようです。

家鴨のスープ、一羽丸ごと入っています。味付けは薄い塩味のみ。さすがに頭の部分は食べられませんでしたが、これは滋味たっぷりという感じで美味しかったです。


■杭州
午後3時頃に杭州に到着、こちらは人口800万人の大都会です。ホテルにチェックインした後で、市内の観光地、西湖に向かいます。湖畔に立つ雷峰塔に登って西湖を見渡しました。この塔はかって地震で倒壊したものを、近年鉄筋コンクリートで再建したものだそうです。エレベータに乗って展望階へ登ります(笑)。天気は相変わらず今一で、雲が低く垂れこめていました。まあ靄に霞んだ西湖の風景も中々良かったのですが。

杭州はかなりの都会で道路の渋滞も多いです。信号待ちで停まっている車の間を縫って窓を叩いて運転手に話しかけている男がいます。Zさんに聞くと、あれは物乞いだとか。身なりは普通なのですけどね。チームを組んで物乞いをするとのことで、別の車線には女の人が。彼らは物乞いを職業としていて、収入は普通のサラリーマンより多いこともあるとか。いやはや大したものです。
夜は杭州料理を食べに出掛けました。杭州の中心街は近代的なのですが、この辺りは日本で言う中華街風の店が並ぶ一角です。やはりこういう街並みのほうが中国らしくてわくわくしますね。

杭州料理は中国八大料理の一つでメニューもバライティに富んでいます。特に名物は東坡肉、西湖醋魚、乞食鶏などだそうです。今宵はこの3つを全て頂きます。
まずは乞食鶏です。店の中にたくさん積み上げてありました。内臓を抜いた鶏を丸ごと蓮の葉と土で包んで蒸し焼きにしたものです。昔々の話、鶏を盗んだ乞食が調理器具がないためにこうやって焚き火に放り込んで焼いたら美味しかったので、この名が付いたということなのですが、これは伝説なのでしょうね。味付けの香辛料はよく分からなかったのですが、美味しいものですね。

次は東坡肉、肉も脂身もトロトロですね。いや〜旨い。皮には毛が残ってますが、中国の人はそういう細かいことは気にしないのです。自分で毟ってから食べました。

こちらは西湖醋魚です。西湖で獲れる草魚という淡水魚を茹でて甘酢だれをからめたものです。草魚というのは鯉の仲間らしいですが、白身であっさりとした淡白な味ですね。この魚は日本人向きでとても美味しかったです。

さらに家鴨の煮込みです。この辺りで赤いスープというと甘酸っぱい味かと思うのですが、これは少し辛味のあるスープで新鮮でした(笑)。鍋の中には高野豆腐を延ばしたような麺が入っています。美味しいし栄養もありそう。中国の人が元気なのは、やはりこういう食生活の賜物なのでしょう。

美味しい食事に満足して、その後は街をぶらぶらと歩きます。まずは杭州名産の龍井茶を購入。これは中国を代表的する緑茶ということで、ちょっと高かったのですがよい買い物をしました。
それから、これは杭州に限らず蘇州や上海でも目にしたのですが、歩いていると「足湯」という看板がよくあります。Zさんが「気持ちいいですよ、行きましょう」ということで、ビルの中にある足湯マッサージの店に入りました。リクライニングソファの置かれた部屋に案内されて、4人並んでマッサージをしてもらいます。スタッフは十代かな?というくらいの娘さんです。コースとしては、まず漢方薬の入った湯に足を浸けて、その間に肩や背中のマッサージをしてくれます。その後で、足裏やふくろはぎのマッサージ。私はマッサージが苦手で、普段は痛いだけで気持ち良く感じないのですが、この足湯マッサージは気持ち良かったです。オプションで足の裏の皮を削ってくれたり爪を切ったりしてくれて、それで日本円で2,500円程です。あ〜気持ちいい、、ということで、杭州の夜は更けていくのでした。