E級日記

もんがぁ のE級的生活の記録です

広島のお好み焼き

今年の夏は異常な暑さで、夏の間はしばらく"お好み焼き"から遠ざかっていました。お好み焼き店は冷房が効いてないところが多いし、それでなくても鉄板の前は暑いですからね。

■柚香@段原
しかし、9月になってさすがの猛暑も納まってきて、そうなるとやはり"お好み焼き"が恋しくなります。この店は仕事場からも近いですし、いま私が最もよく行くお好み焼き店です。

基本の"そば肉玉"。この店は、そばを鉄板に大きく広げて焼いた後で、本体と合体させる作り方です。そばがぱりっと香ばしくて美味しいです。

夕方仕事帰りに、お好み焼き&ビールというのもいいですよ。

柚香 広島市南区段原3-21-6

広島のお好み焼きの店は店舗の中に大きな鉄板があって、客はその鉄板の周りに座って、店の人が焼いてくれたお好み焼きを鉄板から直接ヘラで切り分けながら食べるのが基本の形です。食べ終わるまで熱々で、食べている間に更に焼きが進むので、その変化も含めて楽しめます。ただし、繁華街ではお好み焼きをお皿に取ってテーブル席で食べさせる店もあるのですが、私は好きではないですね。
お好み焼き店はどこの町内にも数軒あって、誰でも自分の行きつけの店があります。かっては、家の一部を店舗にして、おばちゃん1人で切り盛りしているようなところが多かったのですけど、最近はそういう店が少なくなってきたのは寂しいですね。


■まる麺 本店@東蟹屋
この店は私の一押しのお好み焼きですが、いつも客が多いので普段使いは中々難しいところ。お好み焼き用のそば等を作っている磯野製麺の工場の2階にあって、テーブル席からはガラス窓越しに1階の製麺所が見降ろせます。

有名人も訪れていて、店内にはサイン色紙が多数飾られていますね。

私が注文するのは、いつもの"そば肉玉+野菜W+青唐辛子ねぎ"。生地を返してから押さえつけ過ぎず、キャベツがふんわり。最近のお好み焼きはキャベツ重視でモヤシの量が少ない店が多いのですが、ここはモヤシが多めなのも私好みです。

とてもバランスのよいお好み焼きで、美味いですよ。

まる麺 本店 広島市東区東蟹屋町18-15 磯野製麺2F
www.maru-men.jp


私が子供の頃、お好み焼きというと基本は"そば入り"、"うどん入り"で、それにオプションとして豚三枚肉、玉子、イカ天が入る程度でした。しかし、最近は生イカ、エビ、カキ、チーズ、スジ肉などトッピングの具材が増えてきました。また、新しいタイプとしてダイコンおろしをのせたり、塩味やトマト味のお好み焼きなども出てきて、なんか「お好み焼き新時代」という感じですね。

■ロペズ@横川
こちらの店、お好み焼きというよりカジュアルなレストランといった外観です。有名な店なのですが、土日休みで昼営業は火・金のみ、中々機会がなくて今回始めて訪れました。

ご主人のロペズさんはグァテマラ出身。広島の有名店「八昌」@薬研堀で修業したのち、独立されたとのこと。とても気さくな方で、お客さん皆に声を掛けていました。

私がお好み焼きの写真を撮ったのを目敏く見つけて、ロペズさんが「写真を撮ってあげよう」とのこと。ちょっと恥ずかしかったですね。

"そば肉玉+ハラペーニョ"です。「八昌」の生地は普通の店より厚くてぼてっとしているのですが、この店の皮は通常の厚みですね。ハラペーニョをのせるのはこの店のオリジナル。お好みソース味に辛味と酸味が加わって、味の変化が楽しめます。

この店を発祥として、最近は他の店でもハラペーニョや青唐辛子などをトッピングに加える店が増えてきました。その他に、赤唐辛子やハバネロを練りこんだ麺、激辛ソースなど、お好み焼きのジャンルとして辛口が流行りつつありますね。

ロペズ 広島市西区楠木町1-7-13


広島のお好み焼きも全国に知られるようになって、最近「広島焼き」という呼び方をよく聞きます。でも、これは広島人にとってはとても奇異に聞こえます。例えば明石の人達が「玉子焼き」のことを「明石焼き」と呼ばれると、同じような気持ちになるのかな。
私達にとってはあくまで「お好み焼き」なので、敢えて他所のお好み焼きと区別したい時は「広島のお好み焼き」で良いのではないかと思います。

獺祭 島耕作

7月の西日本豪雨の時には広島県下の呉安浦、竹原辺りの酒蔵は浸水して大きな被害を受けたのですが、山口県岩国市にある「獺祭」の製造元:旭酒造も、近くの川が氾濫し酒蔵が70cmほど浸水し、さらに3日間停電したため、品質保証ができず約70万本分の酒が出荷ができなくなったとのこと。
出荷できなくなった酒もテイスティングしてみると相応に美味しい、ただ「獺祭」として売ることはできない。この事態に協力を申し出たのが岩国市出身で漫画「島耕作」の作者:弘兼憲史で、島耕作のラベルをつけて販売してはどうかと提案したのだそうです。

販売価格は四合瓶で1,200円。「磨き 二割三部」(四合瓶で5,142円)、「三割九部」(同2,418円)「純米大吟醸50」(同1,539円)などの酒が1,200円(+税)で買えるのですが、更にこの中に3,000本だけ「磨き その先へ」という酒が入っているそうです。これは「獺祭」の最高峰ブランドで、通常価格は四合瓶でなんと32,400円!安倍総理が来日したオバマ大統領にプレゼントしたという酒です。もしこれが1,200円で買えたら宝くじに当たったようなものですが、ただし、ラベルに表示はされてないので、自分が手にしたものがどのグレードの酒かは分からないとのことです。

販売価格1200円のうち200円は、豪雨の被害の大きかった岡山、広島、愛媛、山口の自治体に均等に寄付されるとのこと。近年超有名ブランドになった「獺祭」ですが、地元の酒飲みの間での評価はちょっと冷めてきた感もあります。しかし、今回の「島耕作」の販売については、よい話だと思いますね。

獺祭 旭酒造
獺祭の蔵元|旭酒造株式会社


今回販売された「獺祭 島耕作」、私は親戚の方から頂きました。
せっかくなので日本酒に合う肴を揃えます。サザエの壺焼き、若イカの煮付け、小エビの塩茹で、小エビとキュウリの酢の物、インゲンのゴマ和えなど。

これが「獺祭」のどのグレードの酒か分からないのですが、すっきりして美味いです。まさか「磨き その先へ」ではないと思いますが、飲んだことがないので分からないです(笑)。

肴が美味いと酒もすすみます。わが家ではイカの煮付けは私が作ります。これは家内からも褒められるんですよね。瀬戸内の小エビの塩茹では食べ始めると止まりません。

サザエの壺焼きは磯の香り、肝の苦みと焦げた醤油の香ばしさが美味いです。家で焼くと熱々が食べられるのが良いですね。

いや~今宵は酒も肴も美味かったです。最近の日本酒は本当に美味しくなりましたね。

広島県下にも美味しい酒がたくさんあります。今回の豪雨で被災された「龍勢」@竹原、「白鴻」@安浦などの蔵元さんの一日も早い復興をお祈りします。